パリの流しの歌手

パリの街には、今でもシャンソンを歌ういわゆる「流し」の歌手がいます。

少なくはなったものの、パリを観光中にカフェに立ち寄って一息入れているときに、シャンソン歌手が入ってきて、ラビアンローズやラメールなどライブで有名なシャンソンを聞く偶然があれば、ただでさえパリ好きが多い日本人観光客は、メロメロになります。

たまには聞くに堪えない歌手がいたりもしますが、ご安心ください。

耳の肥えたカフェのオーナーが、三流の歌い手は叩き出します。

まあそれも良い思い出にはなるでしょう。

シャンソンを専門に聴かせるホールもありますが、情緒があるのは、やはりパリの雑踏の中で聞くシャンソンでしょう。

歌い終わると静かに微笑みながら店の中の客にカゴを回します。

客はカゴを次々に隣に渡しながら、自分が気に入ったらそのかごの中に小銭やお札を入れます。

それそれの客の懐具合と歌の価値に値段をつけてお金を入れます。

一周りしたところで流しのシャンソン歌手は、チラリとカゴの中を覗き、満面の笑みになって客に笑顔を振りまいたり、少し悲しそうな笑顔であいさつをしたりとその微妙な表情までエンターテインメントで、最後まで彼らを注視してしまいます。

考えていた金額が入っていなかったにしても、彼らはプロですから、店を立ち去る際には、丁寧にお辞儀をして笑顔で店を出ていきます。

ケセラセラ、これもまた人生という彼らのプロ根性をみると、パリという街が、長い歴史の中で培ってきた大衆文化の奥の深さを感じます。

日本ばかりでなく世界中の人がパリを愛する理由なのでしょう。

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